月、満ちる夜に

 
 並んで歩きながら、わたしは彼の横顔を見上げる。


 伊達君の右目……。


 あのとき。


 教室で射抜くような鋭い左目に萎縮して気を失ったとき、わたしは彼の前髪から覗く右目が眼帯に覆われていることを知った。


「……」


 伊達君には右側に立つわたしが見えない。


 見えないほうに人が立つのは嫌じゃないのだろうか?


「ねぇ」


 わたしは立ち止まる。


 声をかけなければ、気づかれずに置いていかれそうな気がした。



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