「うまくいくといいな」
「うん」
まさか結城君の口から恋バナが出るとは予想外で、必要以上にドキドキして顔を赤らめた。
それから彼は黙ってしまった。
その沈黙を破りたくて、「あの、結城君……」と口を開いたまではいいけれど、辛い想いを抱えている彼に、なにを言ったらいいのか正直わからない。
「腰、なかなかよくならなくて」
すると、彼の方から口を開いた。
「うん」
「せっかくチョコちゃんに応援してもらってるのに、全中無理そうなんだ」
もうすでに雄介君から聞いて知っていたのに、本人の口から聞くとまるで重みが違う。
「そう、なんだ……」
ますますなんと言ったらいいのかわからない。
「全中にリレーで出るのが、ずっと目標だったんだけど……」



