きみへの想いを、エールにのせて


でもきっと、それくらい泳がなければ、トップには立てないのだろう。

雄介君も悔しそうな顔をして唇を噛みしめる。


「龍平は俺達の憧れだった。いつか龍平と同じように表彰台の一番高いところに昇ろうぜって、皆で励まし合って……」


辛い練習に耐えられるのも、仲間がいるからこそ、なのかも。


「龍平と一緒に、全中に出たかった。もう少しでメドレーリレーの標準タイム切れそうだったんだ。創部以来初の、リレー出場が見えていたけど、龍平が泳げないとなると、難しい」


そうだったんだ。
結城君はリレーの楽しさを笑顔で話してくれたけど、彼もきっと悔しいに違いない。


「バタフライ、代わりに誰かいないの?」


理佐が口を挟んだけれど……。


「龍平がいるから出られそうだったんだ」