「詳しくわからないけど、そう、みたい」
腰の具合がどの程度なのか私にはわからない。
でも彼が『ダメ』だなんて言うということは、おもわしくないということだろう。
私がそう言うと、いつもおしゃべりな泉まで黙ってしまった。
いつもはうるさいくらいに話しながら帰るのに、ひと言も話すことができなくて……。
「それじぁ、また明日」
泉は心配そうな顔をしながら私に手を振った。
「結城君……」
家に帰ると、ベッドの上で膝を抱えて結城君のことばかり考える。
だけど、ただのいちファンでしかない私に、できることなんてなにもない。
「仕方ないじゃすませられないよ……」
故障は誰にでもあることかもしれないけれど、どうして結城君が……と思ってしまう。
もう少しで、全国一という彼の夢が叶うはずだったのに。



