そして次の日の放課後――。


「結城君」


思い切って結城君に声をかけると「俺も話がある」と言われて驚いた。

部室で、と思っていたけれど、彼は私を伴って学校を出た。

早足でスタスタと歩いていってしまう彼に小走りになりながらついていくと、突然手首をつかまれ、引っ張られた。


握られた手首が痛いのは、私の心が悲鳴を上げているから。
こうして触れられることがうれしくてたまらないのに、それを口にすることは許されない。


彼は学校からどんどん遠ざかり、小さな公園にたどり着くと、やっと私の手を離した。


「ごめん」

「ううん」


少し上がってしまった息を整えようと深呼吸すると「チョコちゃんは」と結城君の方が先に口を開いた。