でも、その気持ちは変化している。
結城君が言った通り、リレーで世界が変わるといいな。
そしていよいよ1500。
タイム決勝という、決勝戦がなくタイムで順位が付けられるこの試合。
各種目が終わるとその順位が張り出されるのだけど、卓君は8位で入賞していた。
その勢いのまま結城君も……と高鳴る気持ちを抑えきれない。
それに、前回途中棄権という苦い記憶が残っているから、なんとかその壁を打ち破り泳ぎ切ってほしいと願った。
「来た」
小栗君がいち早く結城君を発見した。
逆三角形の鍛えられた体は、やはり目立つ。
上位の大会だと同じような体格の人はごろごろいるのだけど。
――ピッピッピー。
笛の合図とともにスタート台に上った結城君から目が離せない。



