きみへの想いを、エールにのせて


「頑張れ」


手元のストップウォッチでは、50メートルのラップタイムは悪くない。


「もう少しだ」


結城君も興奮気味に応援している。


「どうだ?」


小栗君はその組の4位でゴール。
電光掲示板に表示されたタイムは、やはりベストとはいかなかった。


「上出来だ」


それでも、たった1カ月足らずでここまでよく来た。

その後の脇田君もベストにはわずかに及ばず。
それでも、彼は満面の笑みだった。


そして、卓君。

スタート台に立った彼は、右手で自分の胸をパンと叩く。
気合を入れているのだろう。


結城君はなにも言わず、じっとスタートの合図を待った。


そして――。

勢いよく飛び出した卓君は、スタートの合図と飛び込み台から足が離れた瞬間までを計測した反応速度も一番速い。