きみへの想いを、エールにのせて


そして、真夜さんの姿を見かけることもなかった。

あの日、ふたりの間になにがあったのか知りたくてたまらない。
でも、当然私が聞けることではない。

雄介君の情報では、真夜さんはやはり競泳を辞めてしまったようだった。


そしていよいよ、夏休みの終盤に行われる初めての試合――。


「小栗、練習の成果見せてこいよ」

「了解」


最近では、結城君をすっかり信用している小栗君がトップバッター。

最初は卓君に頼まれてイヤイヤ練習に来ているという感じだったけれど、結城君のアドバイスを聞きながら練習しているとどんどんタイムが伸びてきて、今ではすっかり選手の顔。


だけど、皆で応援、という訳にもいかない。

100メートルにエントリーしている脇田君も卓君も、召集所に行かなければならない。