「茜もこげてきた」
「ちょっと気にしてるんだから!」
夏の炎天下での部活は、かなり体力を消耗するし、日焼け止めを塗りたくっても、どうしても焼けてしまう。
「それじゃあね。なにかあったら連絡するのよ?」
「うん。ありがとう」
卓君との交際に大反対だったのに、私の気持ちを理解して見守ってくれていて、本当にありがたい。
理佐になかなか会うことができないでいるけれど、時々交わすラインで心配してくれていることはわかっていた。
卓君はあの日から結城君の前では手をつながなくなった。
それはきっと私の気持ちに気づいているから。
そうやっていたわられると、余計に辛い。
"嫌い"という感情しかなかった頃の方が楽だった。



