次の日。
水泳部は正式な部活動として始動した。
奥寺先生が「おめでとう」と声をかけてくれたけれど、私は素直に喜べなかった。
「とりあえず、リレーを組んで試合に出ることを目標に、個々の泳力を高めよう」と先生には発破をかけられたけれど、結城君と卓君が同じチームで泳ぐところなんて、正直言って見たくない。
終業式が終わると、初めて顔合わせを行った。
と言っても、4人プラス私だけの部活。
自己紹介を交わすのはあっという間だった。
「入ってくれて、ありがとう。どうして、急に入部する気になったんだ?」
結城君は、実に素直な質問を初対面のふたりに尋ねる。
「卓にかわいい彼女の頼みだから、どうしてもって頼まれて、な」
どこまで手を回しているの?



