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「ずっとこうしたかった」
「俺も。ようやく二人きりになれた」
「懐かしいこの感じ。前の奴らとは違ってとても滑らか」
「そうだな。今回の獲物はとてもいい」
地下室の奥、佐々木が置かれている台の更に奥にアリと春麗はいた。
二人は裸で猫足のバスタブの中に浸かっている。
湯の色は真っ赤だ。
濡れている二人の髪の毛も体も赤く染まっていた。
春麗を後ろから抱き締める格好で、アリは春麗の腕を赤く染まった湯でさすっている。
春麗が足で弄んでいるのは頭部。髪の毛を器用に足の指でつまみ、浮かべては沈める。その度にぼこぼこと泡がたつ。それを楽しんでいた。
目も鼻もすでに溶け落ちている。静なのか涼子なのかはもう識別できない。
唇と歯を切り取ってぱっくりと開いた口に足先を突っ込んでバスタブに擦り付けて遊んでいた。
アリはそんな春麗をいとおしそうに眺め、優しく髪の毛を洗い始めた。

