A RUTHLESS KILLER


 中は広い。

 玄関を入った真ん中一面リビング。
 一枚木のテーブルに椅子。全て同じ素材の木でできていた。

 リビングの奥にある木の階段を上がると左右に二部屋ずつ、四部屋ある。

 四人は一人一人部屋を与えられ、それぞれの部屋に荷物を置いた。

 階段上がって右側、手前に小太郎、奥にアリ。左側手前にメイ、奥に春麗。

 荷物の中身をクローゼットに入れて少し休憩したあと、リビングに集まろうという話になった。


「メーーイ」

 ベッドに仰向けに横たわって伸びをしているメイの部屋のドアから春麗が顔を出した。

「春麗、どうしたの。もう荷ほどき終わったの?」

「終わったよ。って、何もしてないけどねー」

「服、出さないと皺になっちゃうよ」

「大丈夫。皺になっても大丈夫なのしか持ってきてないしーさ、それに昼間は暑いでしょ? だからワンピしか持ってきてないもん」

「あー……そっか」

 勢いをつけて起き上がり、春麗が座れるスペースを自分の隣に空けた。

 すかさず春麗が小走りに入って来てちょこんと座った。

「ねーねー、超楽しみじゃないこれ」

「だね。キャンプ、楽しみだよね」

「違う違うそうじゃないよ。そんなのじゃなくてー、夜が楽しみだねって言ってるの」

「夜? あんたもしかしてキャンプで肝試しでもやるとか思ってる? やんないよ」

「じゃなくってー、もー、メイちゃん鈍いなあ。ほら、どうしようアリさんに迫られたらー」

「は? もうそんなことされたの?」

「まだ」

「…………そうですか。ま、いいんじゃない? てかとりあえずほかの人たちも来るって言ってたからさ、楽しもうよ! 楽しいことは、ふふ、たくさんあるよね」

「そうだね。他の人も来るなんて知らなかったー。楽しくなりそう」