「とりあえず、どうでもいいけどうまくやれよ。中西」俺の前に二度と姿見せんなよ。と心で付け足す。
「相変わらずそっけないっすね。久し振りに会ったってのに。じゃまたどこかでってことで」
「じゃあな」
「あ、戸張さん最後に一つだけ」
「なんだよ」
「なんか怖い顔してますけど、なんか失敗したんすか?」
「うるせえよ。関係ねえだろうが」
「はいはい、そうっすよね。俺には何も教えてくれないですもんね」
「そんなことねえだろ。俺も今いろいろあんだよ」
「分かりましたよ。じゃ、俺下見したところ行ってきますわ」
戸張にちょこんと頭を下げるとにたにた笑いながら中西は狙いのつけた家へ向けて足音もなく消えていった。
「まったくめんどくせえやつに出くわしたもんだ」
戸張は軽く舌打ちをし、自らもメイの行動を監視するために中西とは逆方向へと背中を丸めて歩き出した。