A RUTHLESS KILLER


「それでえ、アリさんは、なんであの二人がいなくなったんだと思いますかあ?」

 春は相変わらずアリの側を離れずに部屋にまで押しかけていた。定位置のアリの横にぴったりとくっついている。

 佐々木は自分達のログハウスに戻り、ここにはアリと春しかいない。

「うん。それなんだけどね、あー、よくわからないな」

「これ、私の勘違いだったらすーーーっごく気まずいんですけどお、もしかしてえ、アリさんも見ちゃったとか? そんなことないですかあ?」

「え? 何を?」

 動揺を隠しきれないアリは目をぱちぱちさせながら春を覗き込んだ。

「実はあ、見ちゃったんですよねえ私。あの三人がなんか変なことしてるところ」

「マジ? それってどんなことなの? 聞いてもいい?」

 かまをかけたアリに対し春は素直に、

「もちろんですよお。アリさんはあの二人の女性と佐々木さんとも友達だから私隠さずに話しますね」

「何を見たの?」

 もしかしたら自分と同じ光景を見たのかもしれない。アリは春の次の言葉を待った。


「あの三人。できてますよ。だって三人でエッチなことしてたもん」

 きゃーきゃー騒ぐ春はそのままにして、

 やはりそうだ。俺だけじゃなく春ちゃんも見たんだ。と春の態度とこれからどうするかを考え始めた。