A RUTHLESS KILLER


「うーん、でもお、大丈夫なんですかあ? 佐々木さん一人で、ほんとに大丈夫ですかあ?」

「それどういうこと? 春ちゃん」佐々木が眉を寄せた。

「だってえ、三人で喧嘩とかして女の子二人いなくなっちゃったなら、第三者が間に入った方が話しやすいんじゃないかなあって思って」

 ツインテールを揺らしながら首を傾げた。

「春。やめな。私たちが口出しすることじゃないよ」

「メイちゃんは心配じゃないの?」

「そりゃ心配だよ。でも事情ってのがあるでしょ。外部の人が関わっちゃダメな場合だってあるかもしれないじゃん」

 佐々木の態度を汲み取ってメイがさりげなくフォローを入れる。

「メイちゃん冷たいー。でもさ、ほら、私たちまだ休みだしさ、もう少しここにいても大丈夫じゃん? もう一泊くらいしていこうよー。そしたらみんなで探せるよ。人手はあったほうがいいですよね。ね、いいでしょアリさん」

 腕にまとわりつきアリを上目遣いで見る。

「んー……まあ、僕はまだ大丈夫だし、一人でもう少しいようかと思ってたところだったから、小太郎とメイちゃんにも聞いてみようかと思ってたんだ。じゃないと帰りは電車になっちゃうから。あ、もちろん電車賃は出すけどね。僕の勝手だから」

「電車賃くらい払えるよ。気ー使わせてわりいな。それに俺だっておまえに甘えてんだから。このキャンプ代だって払ってねえし。おまえがいいなら俺らも一泊くらい伸ばしても……メイちゃん、どうする」

 小太郎は困ったようにメイを見た。

 ふー。とため息を一つ。

「春がまだいたいならもう一泊だけいよう。春だけ残したらアリさんに迷惑かかるし、もしかしたら二人とも帰ってくるかもしれないしね」

「やったー!! メイちゃんだったらそう言ってくれると思ってた~! じゃ、決まりぃ!」

 春が立ち上がって腕を天に伸ばしてぴょんびょん跳ねた。

 短いワンピの裾が上がり下着が見えそうになっている。


 これすらも春にとっては計画通りなんだろうけれども。