A RUTHLESS KILLER


 で、この三人の間に何かがあって二人とも帰ってしまったんじゃないだろうか。

 だとしたら、佐々木は自分たちの関係について言うことはないだろう。

 なんでもないと押し通すか、もしくは自分ももう帰ると言い出すかのどちらかだ。

 ちらりと気づかれない程度に横にいる佐々木を盗み見するとやはり眉間に皺を寄せて何かを考えている。


 三人で裸で抱き合う。


 そんなことをいつの日から始めていたのか。

 俺に見られたことをなんとも思っていないのか。はたまた見られていてもお構いなしか。俺がなんにも言わないとでも思っているのか。それとも……そういう性癖があるのか。最悪、見られていないとでも思っているのだろうか。


 ともあれ、この感じからすると佐々木は自分からは何も言わないだろう。



「いや、やっぱ俺が連れてきたから俺に責任があるし、山岳部の中での話し合いとかもあってさ、ちょっともめたりしたんだよ実は。だから俺が責任もって二人のことを探すから、みんなは予定通り帰っていいって」


 やはり佐々木はほかの人たちを遠ざけた。


 もしかしたら自分たちの知らないLINEグループがあったりして、そこでやり取りをしているのかもしれない。

 アリはそんな風に思って少しばかり複雑な気分にもなったが同時にほっとしていた。

 ただの喧嘩ならばそれでいい。

 事件に巻き込まれていないのであるならそれでいい。そう思うことにした。