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「おいアリ。この状況、大丈夫だと思うか? 俺はそうは思えねえ。どうだ」

 静に続き涼子もいなくなったことにさすがに小太郎も本気で不信感を抱き始めた。

「涼子ちゃんとも連絡つかないのはおかしくない?」メイが小太郎に続く。

「おかしいよね。彼女は僕の幼馴染でもあるし、こんなにいきなり二人もいなくなるなんて、小太郎の言う通りやはりおかしいよ。心配だ」

 スマホを操作しながらアリが小太郎に答える。もちろん画面には涼子のラインが出ている。

「てかあ、静さんに続き涼子さんまでほんとどこ行っちゃったんでしょうねえ。この辺に楽し気な場所とかあるんですかあ? 湖しかないと思ってましたけどお」

 春がアリの横に座ってスマホを覗き込んだ。

 アリはやんわりとスマホを春から遠ざける。

「なんかほんとすまん。俺が連れてきた子達が次々と連絡がつかない状態になっちゃって」

 佐々木がみんなに頭を下げつつもアリと同じくスマホを操作している。こうしている間にももしかしたら連絡が来ているかもしれないと思ってのことだ。

「いや、謝ることはねえよ。それよりさ、女の子が二人いなくなるってどんなことが考えられる?」

 小太郎がアリに聞くが、アリはあの光景が頭にこびりついていて離れない。視線を佐々木から外し、スマホに集中した。



 あのことがあったからかもしれない。


 まさかの幼馴染がそんなことをしているとは思いもしなかった。

 それで二人の関係が少なからずおかしくなったのかも知れない。