春麗とメイは高校三年生で同じクラス。席も隣同士だったこともあり、いつも一緒にいる。
見た目や考え方は正反対に違うが、なぜだか馬が合い、まるで姉妹のように仲が良かった。
小太郎とアリは大学一年生だ。
学部は違うが選択した講義がたまたま同じで、たまたま隣の席になり、たまたまそのあと学食で一緒になって、たまたま意気投合して今に至る。偶然からうまれた友好関係だった。
小太郎は体育学部、アリは経済学部。
接点はどこにもないように思われるが、趣味のキャンプと料理好きという繋がりでここまで繋がっていた。
小太郎とメイは恋人同士だ。
夏休みを利用してメイが興味を持ちだしたキャンプをしようということになった。
キャンプは大勢で行った方が面白い。
そこで、小太郎が同じ趣味で友達のアリを誘った。
実家が金持ちのアリは、もちろんキャンプ用の大きめの車も持っていたし、移動手段には困らない。
それにキャンプ道具も一通り車に積んである。
四人でも有り余る充分な大きさのテントも持っているということ、そして現在彼女もいない。
それなら同じく彼氏のいないメイの友人の春麗も誘って四人で二泊三日のキャンプへと行こうということになり、こうやってアリの持っている別荘へと来たわけだ。

