A RUTHLESS KILLER


 生きているか死んでいるか確認しに来るはずだ。

 自分の目で確かめなければ納得しない。それが犯罪を犯す上での鉄則だった。

 自分が今までその立場にいたんだ。あいつの思うことなんて手に取るように分かる。だから気を抜けなかった。何かしらの動きがあるとしたら今夜だ。

 それまでにどうにかしなければならない。どうにかここから抜け出さなければならない。

 脱出するならば一刻も早くしないと二人とも殺される。にしても、扉は高すぎてそこまでは行けない。

 だとしたら、ここに来られる隠し扉か隠し通路のようなものがこの壁のどこかにあるはずだ。それを探した方が早い。

 出口さえ見つけられれば、夜を待ってここに確認しにきた奴をなぶり殺せばいいだけだ。そのあとここからゆっくり出られる。

 そうなると、顔を見られてしまっている以上この女も用済みだ。二人をここに閉じ込めて上からあの扉を塞いでしまえば何もなかったことにできる。


 静に知られることなく舌舐めずりし、小さく肩を揺らした。

 方法が見つかり安心したからか、眠気が襲ってきた。目をこすり、頬を打つ。あくびを繰り返し脳に酸素を送る。

 女のほうに目を向ければ、同じようにあくびを繰り返していた。