__________
頭上の扉が突如として開き、男と静は咄嗟に身を隠した。
ぎぎ……と軋む音がしてそこから子供の声が聞こえてきた。
「ここに捨てればいいんじゃない? さっきの人言ってたのここのこのだと思う」
「だよね。ここしかないもんね。いいか。ここに捨てちゃおう」
扉の外に子供が二人いる。
この中に何を落とそうとしているのか。
そう考えているうちにビニール袋が放り込まれ、トランポリンの上ではねた。
扉が閉じられた。
外の様子に集中する。
子供の足音が遠のくと男はそろそろと近づき、落ちてきた袋を手に取った。
「___水だ」
「ほんと?」
静かが走り寄る。男はゴミの入った袋の中に食べ物がないかを探った。
「水だけだ。しかもまだ残ってる」
「お願い、飲ませて」
一本を静に手渡すと静は半分入っている水をごくごくと音をたてて飲み干した。
男はその様子をじっと見ていたが、飲んだ後に静になんの問題も起こらないことを確認すると自分も一気に飲み干した。
二人はここに閉じ込められてから一滴も水を飲んでいなかった。
喉が渇いていていて水が飲みたかった。
水を飲み干した二人は壁に背を預け、頭上の扉を見上げて一息ついた。
「ねえ、あの扉には手は届かないけど、人が通った時に声をかけたらきっと気づいてくれると思う」
静が名案とばかりに手を扉の方に伸ばしながら男に言った。
男はもちろんそのことも考えていたが、第三者が来るその前に殺人鬼がここに来てしまったら意味がない。それに静の回復を待っている間に結構な時間が経ってしまったことも気になっていた。

