A RUTHLESS KILLER





「ねえ、誰か静見なかった?」

 次の日の朝食の時に涼子がみんなに聞いた。

「昨日部屋に帰って来なかったっぽいんだ。私たちいつの間にか寝ちゃって気づいたら朝だったからいつからいないのかわかんないんだけど」

 パンをかじりながら佐々木と視線を絡ませた。

「えー。朝霧さんいなくなっちゃったんですかあ? 夜に抜け出したのかなあ? それとも朝? 何か買い物に行ったとかじゃないですかあ? アリさん、サラダ食べます?」

 春はアリの横を自分のものとばかりにキープし、サラダをアリにだけ取り分けながら、「夜出かけるとかなんかやらしー」とおちゃらけていた。

「やめな春。今もいないんだよ、なにかあったのかもしれないじゃん」

 メイに窘められ首をすくめた。

「電話は? 佐々木、電話してみた?」

 アリが春にお礼を言ってサラダを受け取りながら佐々木に話を向けた。

「それが、つながらないんだよ。何回もかけてるんだけど」

「私も朝から連絡取っては見てるんだけど全く返信ないし電話にも出ない」

「それはちょっとおかしいな。心配だし、朝ごはん食べたらみんなで探しに行ってみよう」小太郎が4枚目のパンをかじりながら5枚目を手にとっている。

「そうね。もしかしたら酔っぱらってその辺で寝ちゃってるかもしれないしね」

 涼子がそんなことを言い、

「そんな子なの?」アリがびっくりして聞き返した。

「なんかやっぱりやなかんじー」春がすかさず乗っかった。

 メイは春をちらっと見て、

「食べたら探しに行ってみましょう」

 小太郎に視線を送った。