「ほらほら、もう終わり? 追いついちゃうよ」
「やめて!」
小石を投げ付けた。
草をむしって投げ付けた。
転びながら逃げる。小石を手に取り投げながら隠れるところを探しながら逃げる。
「あと少しで捕まえちゃうよ」
舐めるような言い方に全身に鳥肌がたつ。
「やめて、なんでこんなことするの……」
体力的に無理だ。尻を擦りながら逃げる。首を振りながら涙を流しながら鼻水を流しながら震えながら逃げる。
「……気にくわないのはみーんな殺す」
素早く静の首をつかみ、水の中に押し付けた。
苦しさにもがくのを見ながら水の中から引き上げる。
空気を肺いっぱいに吸い込もうと大きく口を開けて空気を吸い込んだ静の首をまた水に突っ込んだ。
これを繰り返す。
そのうちにだんだん弱ってきて力が抜けてくる。失神寸前で反発できなくなるまで繰り返した。

