『みんなが寝静まってから外に来てくれる? 二人で会いたいんだ』

 というメモが静のバッグの上に置かれていたのは、昼間、みんなで湖でまったりとしているときだった。

 春と戯れている涼子に気づかれないように勝ち誇った顔には笑み、佐々木の方に熟れた視線を送った。しかし佐々木はアリと話に夢中になっていた。

 夜になるのが待ち遠しい。
 夜になっても帰って来ない私と佐々木のことを涼子はどう思うだろうか。そんなことを考えると面白くて仕方なかった。

 静は佐々木のことが好きだった。
 しかしそこにはいつも涼子がいた。そもそも涼子の方が先に佐々木との縁があり、サークル仲間として確立し、自分の方が後ということにも快く思っていなかった。

 何をするにも涼子優先だった。

 こういう関係になったのもアリと同様、偶然にも二人の行為を目撃してしまってからだ。

 まさか二人がそんな関係だとは思わなかったのでショックが大きかった。

 しかし、二人に押される形となって断る間もなく引きずり込まれてしまった。そんなことをする二人だとは思わなかったギャップに飲み込まれた。

 ダメなことをしていると思うとよけい高まった。

 そこから抜け出せなかった。


 あのメモは佐々木からのものだと思っていた。

 でもそうじゃなかった。目の前にいるのは佐々木じゃない。

 真っ黒い服に身を包んだ、