A RUTHLESS KILLER





 男は暑さに朦朧としていた。

 ランドリールームというくらいだから水は出る。しかし天窓は開かず、夏の陽射しが充満し、ランドリールームは蒸し風呂状態になっていた。


「くっそ、あの男にバレたのか。閉じ込められたとしか思えねえ、くそ」


 男は悪態をつき、来ていたTシャツを脱ぎ捨てた。
 帽子もすでに床に投げ捨ててある。ズボンも脱ぎ捨てパンツ一丁という姿だった。

 夜遅くにでもなれば涼しくなるが、そうしたらここの住人が帰ってきて洗濯をしにここに入るだろう。

 騒がれるのは間違いない。女だった場合はなんてことはない。殺せばいいだけだ。

 しかし男だった場合は手こずるだろう。体力的にも限界が近い。



「くそっ!」


 洗濯機を蹴っ飛ばし、壁に背中を預けてずるずると座り込み、床に顔をつけて横になった。



「つめてえ」



 ひんやりとする床に顔をつけ、目を閉じた。