一人で戻ったメイのことを遠くから眺めている一人の男が、吸っていたたばこを投げ捨てて、いやらしく笑って唇を舐めた。
程よい距離を保ちながら帽子を目深に被り、周りの空気に溶け込みながらメイの後をつけている。
ログハウスの中に入ったメイはバスタオルを取りにバスルームに向かい、それと同時に、バスルーム横から外へ出られる扉のノブがゆっくりと回された。
バスタオルを三枚用意したついでに暑くて汗ばんだ体を濡らしたタオルで拭いた。
上半身裸になって体を拭いているのをバスルームのドアの後ろに隠れてひそかに見ていた男は目を細め、肩でひとつゆっくりと呼吸をすると、手をポケットの中へ入れていった。
顔をばしゃばしゃと洗い新しいTシャツを着ると用意したバスタオルを抱えバスルームを出た。
ドアの後ろに隠れていた男は黒い手袋をはめた拳にきゅっと力をこめた。
『この女を後ろから羽交い締めにして首を締めて意識を失わせる。そのあと目覚めるまで転がしておいて目が覚めてからじっくり楽しませてもらう』
そう思っていた。

