A RUTHLESS KILLER


 ほどよく酒も回った頃には太陽も焦げ付き始め、湖に飛び込みたくなる気温になってきた。

 もちろん一番に口を開いたのは春麗で、

「もぉ、あっつくって無理ー。ね、アリさん、一緒に泳ぎませんかあっ?」

 と、アリの腕にまとわりついて、ぐいぐいと胸を押し付けた。


 アリもその頃にはほろ酔いになり、気温の上昇と共に汗ばむ体、さすがに一泳ぎしたい気分になっていた。


「ほら、メイちゃんも! せーっかくこんなきれいな湖に来てるんだよお、泳ごうよっ! ねっ!」

 あまり乗り気じゃないメイの手を引っぱり連れていこうとした。


「いや、あの、でも、私、水着とか持ってきてないし」


「えー、なんでなんでなんでー? 持っていこうねって言ったのに忘れちゃったのー?」


「じゃなくて、キャンプって聞いてたから水着は持ってきてないよ。だって、キャンプだよ?」


「なにそれー! 湖に来るんだからふつう持ってくるでしょ。じゃ、ほら、私の貸してあげる」


「っ、それはいい」


「なんでよ、なにその即答」


「だって春のやつきっと……(どぎついかきわどいかのどちらかだと思う)」


「とにかくっ、私いくつか持ってきてるし。ね」


「いや、私これでいいよ。ほら、ショーパンだし、上Tシャツでも問題ないし。日焼けするのやだしさっ、ね」