「メイちゃんお願い死んで! そうしたら私、アリとずっと一緒にいられる!」
「春!!!」叫んだのは小太郎だ。
メイは、自分に向かってくる春のことをただじっと見ていた。
春の握っているナイフがメイの腹に刺さる手前で、小太郎が春の手を掴み、力任せに引き離す。春は悲鳴をあげ手を抑え、メイはハッと息を飲み、数歩後退り刑事にかばわれた。
「おまえ、自分の友だち殺そうとしたんだぞ! 分かってんのか!」
顔を真っ赤にした小太郎が春の頬を平手で打った。
「違う! アリは騙してなんかないもん! 私のこと好きだって言ってくれたし、一番大切に思ってるって言ってくれた! メイちゃんが悪いんだっていうならそうなんだもん! メイちゃんが全部やったんだ! あの三人を殺して解体したのもみんなメイちゃんだ。最初は怖くてびっくりした解体だったけど、でもアリがそういうなら解体したのはっ、きゃっ!」
短い悲鳴をあげた直後、春は床に尻餅をついていた。
アリが痛む腹を抑えて這いながら春の元へ近づき、力任せに春の足をはらったからだ。
「……おまえ、いらないことまでしゃべりすぎなんだよ。お前はしゃべらずにバカみたいに笑ってりゃいいんだよ」
「え、」
春の耳元でそう呟くと、春が手にしていた自分の短刀を瞬時に奪い取り、春の頭を力任せにおさえつけ、春が口を開く前に首を真一文字に横に切った。
血しぶきが上がらないように、切ったあとすぐに春の首を前に倒す。
メイの悲鳴と小太郎が止めさせようと手を伸ばしたのは同時だった。
一瞬の隙をついたアリの行動に、刑事は露骨に悔しがる態度をしめした。

