「……部外者は黙っていてくださいよ」
「なんで部外者だって分かるんだよ。警察と一緒にいんだぞ俺。それにオマエハ俺のこと知ってんだろ」
「知らない! お前なんて知らない」
「それ以上バカみたいに口開くと墓穴掘るぞ」
「とととにかく、中にいる女の殺人鬼を早く……」
アリの背後、地下室から誰かが登ってくる足音が聞こえてきて、おもわず眉間にシワを寄せた。
「……アリ? 今の……なに? 心配になってみんなで後つけてきたんだけど、なにやってんのよ。みんなのこと裏切るの?」
「……」
怯える声の主は春麗だ。
アリは両目を見開き、白目は怒りで血走っていた。
「な、なんでお前ら。待ってろって言ったのに」
「アリ……私のこと、みんなのこと裏切ったの? ねえ、最初から裏切るつもりだったの? 今なんて言ってた?」
「……」
「ひどいよ。ひどい。みんな信じてたのに! なんでこんなことするの!」
「春麗、待って。落ち着いて。なんでここに来たんだ」
「ねえ、なんでこんなひどいことするの? もうやだ」
「待てって」
春だけじゃない。メイも小太郎もその顔には戸惑いが浮かんでいる。
「アリ私のこと裏切った! なんで! アリが私に言ったこと全部嘘だったの? ほんとに本当に心から信じたから私、あんなことまでしたのに、それなのに」
「春! 待て! 何も言うな! それ以上言うな」
「だってひどいよ!」
「違う! お前のことじゃない! こっちだ」
生々しい血のついた指でメイのことを指した。
「この女がみんな殺したんだ。佐々木も、静も、涼子も」
いきなり矛先が自分に向いたメイは、小太郎の方を向き、刑事の方を向いて首をふるふる横に振った。
戸張は目頭をぎゅっとおさえて首を振り、刑事は冷たい視線をアリから離さなかった。

