A RUTHLESS KILLER


 ___春とかいう女を抱き抱えながら中西は下に飛び降りたんだよな。

 そんで、俺は途中でぶつかって……

 あのあと中西はどうなった。確か、降りた時にあの女を離したよな。逃げねえと思ったのか、あいつ1回離したんだよ。それで、あの女はどうしたっけ。


 戸張が頭を抱えてぶつぶつ独り言を言いながら顔を左右に降っている様を警察は辛抱強く待っている。


 中西は……俺を見て、目を見開いてたよな。なんでだ?

 その時俺は、頭から落ちた衝撃で動けなくなっていて、ああそうだ、あの女、俺のことを蹴りやがったんだよ。

 でも俺の体はいうことをきかなくて、蹴られたままだった。

 あの女は俺が死んだと思ったんだ。

 そしたら中西が……確か……


「首に手を当ててたよな……」

「首に手? どういうことだ?」



 口から赤いものが、血が出てた。

 首をおさえてる手の隙間からどんどん血が流れ出ていて、助けねえとって思っても体が動かなくて、それで……


「あいつ、泣きながら俺のことを見てた」


 そうだ。あいつ、泣いてた。その横に誰かいた。



『二人仲良く死んじゃったねえ。ひっさしぶりに、切ったあ』