A RUTHLESS KILLER


 扉を蹴破った。

 まず勢いよく中西が飛込み、窓際にいた春に襲い掛かった。

「じゃあな、メイちゃん。もう二度と会うことはないだろうけどな」


 戸張は中西が春を捕まえたことを見届けるとメイに軽く挨拶をし、窓に向かって走った。

 小太郎がそれを追おうとするがすかさずメイに止められた。

 メイと小太郎が見ている間に中西は春を抱えて窓から下へ飛び降りた。ついで戸張も最後にメイと小太郎を交互に見て、唇をにゅっと上げたかと思うとその大きな体とはうらはらに軽やかに下へと飛び降りた。




「メイちゃん、俺らも下に逃げないと。じゃないと煙にやられる」

「……うん。急ごう」

 春、戸張、中西が飛び降りた窓へと近づいた。

 部屋には既に煙が入り込んできている。

 小太郎は下を見て、相当な高さがあることにびびり、メイの方を見て、様子を伺った。


 先に降りた三人は既に姿が見えない。

 あの二人のことだ。うまく飛び降りて春を連れ去ったに違いない。そう考えると小太郎はなんともいえない気持ちになっていた。

 あの二人に捕まったら春はボロボロにされる。飽きるまでおもちゃにされて、最後はボロ雑巾のように捨てられるだろう。

 分かっているけれどなにもできない自分に腹立たしくもあった。