メイと小太郎、戸張と中西は一度外に出て小太郎が借りたレンタカーの中で身を潜めた。
車があったほうがなにかというときに役に立つと考えてのことだった。
「で、おまえらもあいつらの仲間じゃねえのかよ」とは、戸張だ。
「友達。私と春は同じ高校。小太郎とアリさんは同じ大学よ」メイが戸張と中西を交互にみやる。
中西はいまだに不満げな顔でメイを睨み、戸張の後ろに隠れている。
戸張は中西にこの二人は敵じゃない。大勢いたほうが力になるからと説得し落ち着けたところだった。
「俺ら男はアリを捕まえよう。あいつは頭が切れるから次にどんな手にでるかわからねえ。だから三人がかりで丁度いいくらいだ。春の方はそのあとで簡単に捕まえられる。アリさえおさえたらあいつは簡単だ」
小太郎は戸張と中西、メイの三人にアリの性格と春の性格をざっと話し、その間、メイは頷き相槌をうち、戸張と中西はじっと聞き入っていた。
「つまり、あの女は一人じゃなにもできねえってとこだな」
「戸張さん、あいつは俺にやらせてくださいよ」
「まあ、待てって。まずは捕まえんのが先だろうが」
「中西さんでしたっけ? 春になにかする気?」
「何言ってんだおまえ、あの女だけじゃなくお前にもな」
嫌らしくメイのことを眺め回して中西が舌舐めづりをした。
メイは気持ち悪そうにぶるっと震え、
「お前にゃ何もできねえわな」
メイが何か言う前に戸張が鼻で笑って言い返した。小太郎は面白そうに笑っていた。

