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「しゃべったら刺しちゃうからね」
中西の背中にちくりと痛みが走った。この感触には覚えがあった。今までに何度かやられてきている。
ナイフだ。
無言で頷くと両手を肩の高さにあげた。
「物わかりがいい人」
ふざけんなバカ女が。と、怒りでふつふつと煮えたぎる腹の中で毒づき、チャンスをみて逃げる。それからこいつを犯してやる。と、自分の背後にいる女、メイに対して神経を集中させた。
メイと小太郎は電車に乗り、帰ったと見せかけて、次の駅で降りていた。その後、タクシーを使って誰にも知られないようにこっそりと戻ってきた。
狙いはただひとつ。
春とアリの行動が気になったからだ。
そう確信したのは、夜中に喉が乾いて水を飲みに行こうとしたときに、春の部屋から聞こえてきた『声』だ。

