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「誰もいない」
春が佐々木たちのいたログハウスの二階から自分たちのログハウスを確認したとき、
そこには誰もいなかった。
外にも誰一人としていない。車もなければ人一人歩いていない。
「アリ、こっちからは誰もいないよ。見えない。真っ暗なだけ」
「…………」
「アリ?」
「…………」
「聞いてる?」
「…………」
「アリ?」
電話はつながっているものの、アリが答えることはなかった。
心臓が痛い。アリが何も言わないなんてことはないはずだ。
何かあったに違いない。そう思わざるを得なかった。
この中にいたら自分も危ないかもしれない。もし自分が捕まればアリを助けることができない。
でも、ここから一歩でも外に出ればもしかしたら自分も誰かに捕まるかもしれない。
そう思うとどうしたらいいのか分からなくなる。

