他に誰かいる。
戸張は全身を針で刺されるような感覚に襲われた。
中西の話によると、襲おうとして入り込んだところ、逆にやりこめられた。『女』に。
俺はずっとこいつらをつけてきた。だとしたら、中西を襲ったのはこいつらじゃねえ。他の誰かだ。
帰ったと思ってたあの二人が実は戻ってきているとしたら?
気付かれたってことか?
違う。気づかれてはいないはずだ。じゃ、まったく違う第三者か。中西同様、空き巣に入ったところを運悪く中西に見つかった。だから逆にやりこめた。そんなところか。
とりあえず、誰かがどこかにいる。もしかしたらこっちの状況をどこかから見られているかもしれない。
「……中西、」
「分かってますよ」
さっきと声のトーンが違う。他に誰かがいるのを感じ取ったのだろう。
無言になった。
地下から小さく聞こえてくる物音と、この家の中にいる『だれか』の気配に全神経を集中させた。

