A RUTHLESS KILLER


 バカが。まじで何やってんだよ。なんでここにいるんだ。お前の持ち場はここじゃなかっただろうが。ここは俺の場所だぞ。

 それにお前にこいつらは無理だ。すぐに殺される。絶対にだ。だからさっさと帰れ。

 腹の中で叫ぶ。

 中西が足音を立ててわざと大袈裟に歩いているのは、恐怖心を払拭したいからだ。

 そんな歩き方教えた覚えはねえぞ。戸張は鼻の頭に皺を寄せて上唇を上に引き上げ、嫌な顔をした。

 春の方を見れば、楽しそうにナイフをそこらじゅうに突き刺して遊んでいる。


 この女は放っておいても上には上がってこないだろう。だとしたらこの男の方をつけて、なんとか中西を外に出すことが先決だ。もしくは運よくいけば中西を仲間に引き込める。そうしたら始末をするのも楽になるってもんだ。


 戸張は乾いてかさつき始めた唇を舌で濡らした。


 足音を立てないようにアリのあとを追った。アリは扉に手をかけたところだった。