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　人体を解体するのは簡単だ。ちょっとしたコツさえつかめばあっという間にバラバラにできる。

　私は頭を捌くのが好きだ。

　ナイフを額に入れ、頭皮をなぞりながら後頭部へ回す。それから鼻筋の方にもナイフを入れる。

　ずるりと皮が剥ける感覚は一度味わうと忘れられなくなる。

　頭蓋骨を割る前に顔の皮膚を剥がす。まぶたがうまく剥けないんだけど、今回は捌く人数が多いから良い練習になるはずだ。

　脳みそは甘い。温かくしたウニの味によく似ている。

　潰して混ぜてそのまま生で食べるのが一番いい。

　脳みそを取り除いたあと、手をつっこんで目玉を内側から引き抜く。

　眼窩の奥には、視神経をはじめとする脳神経や血管を通す大小の穴がある。

　そこから視神経を引っ張って目玉をつぶしながら取り出していくのは、なんともいえぬ快感がある。下腹がくすぐられる。

　アイスピックで目玉をジェル状になるまで潰しておくと、引っ張ったときにも通りが良い。
　

　一度自分の手でそれをやってみると、病みつきになる。

　一通り楽しんだらあとはいつものルーティーンだ。

　やることは毎回同じ。いらない部分は湖に捨て、いる部分は冷凍する。生で食ってうまいところは新鮮なうちに食い尽くす。喉が鳴る。


　特別難しいことはない。