淡々とした声からはなんの感情も読みとれない。 怒りも悲しみも。 あたしは喉の奥がつまり、なにも言えなかった。 周りの同級生は「退学」発言をした彼女に眉をひそめる。 「……どうして?」 ひとりの少女がみんなを代表するように訊いた。 途方に暮れたような声だった。 けれど彼女は少し困った顔で告げた。 「妊娠したんだ。結婚するから学校やめることにした」