車の中には湊が座っていた。 「なんで………。」 「……家にいっても会えないから。 片桐に頼んで乗せてもらった。 由茉、家に帰ろう?」 「………うん。」 私は嬉しかった。 毎日家に来てくれて。 こうやって大学までわざわざ来てくれて。 でも……信じるのが怖かった。 もう置いていかれるのは嫌だったから。