「ちょっとトイレ借りるわ。」
爽がそういって立ち上がった。
「ねぇ、由茉ちゃん。
今度料理教えてくれる?」
爽がリビングから出ていくのを確認してから
愛奈ちゃんが由茉ちゃんに話しかけた。
「私に?」
「爽くん…由茉ちゃんのご飯楽しみにしてたから…
私も近づきたいんだ。」
「うーん、でもさ、爽は愛奈ちゃんの作った
ご飯が食べたいんじゃないかな?
私が教えたら私の味になっちゃうだろうし、
爽は愛奈ちゃんが考えた味が食べたいんだよ。
基本的なことは教えられるけど、
あとはやっぱり自分で考えるのがいいんじゃない?
私もすぐにみんなの味を覚えた訳じゃないし
少しずつでいいと思うな。」
由茉ちゃんがそういうと
愛奈ちゃんは納得したように頷き
そこに爽が帰ってきた。


