「……ここ、由茉ちゃんのおうち?」
「まあね。先部屋にいて?
飲み物持ってくるね。」
私は愛奈ちゃんを部屋へ通し、
キッチンへ向かった。
リビングではすでに湊たちが話していた。
「爽、好きなわけ?」
「わかんねー。」
わかんねーって……
「あのさ、爽。」
私が話に入った。
「今まで女の子にあそこまで深入りしなかったよね?
適当にあしらうだけだった。
今好きかどうかわからないんでしょ?
じゃあさ、これから好きになるかもじゃない。
少しの可能性にかけてみたら?
一緒にいると好きになるよ。きっとね。
またなにかあれば私駆けつけるし。
一人じゃないんだから。怯えないで向き合いなよ。」
私はそれだけ言って部屋へ向かった。
「ごめんね、お待たせ。」
「ううん、今日知り合ったばかりなのに
お邪魔しちゃってごめんね?」
「気にしないでよ。
爽の友達は私たちの友達なの。
どうだった?本当の爽を見て。」
「……怖かった。」
「うん、それが正直な感想だよね。
私も怖かったもん。
何考えてるのかわからない爽が。
でもね、知ってくうちにどんどん好きになるの。
優しいとこいっぱい見つけてくの。
本当は優しい人だから、大丈夫だよ。」
私たちはそんな話をしていると
爽がきた。


