続・生きる。



「使用人はつけたければつけて構わない。」


「いえ、それは私が。」


「そうか、じゃあ無理そうなときは

遠慮なく頼みなさい。」


そして慎一さんは誰かに電話をし、

しばらくしたら一人の男性が入ってきた。


「由茉さん専属の運転手兼執事の、片桐だ。

どこかへ行くときやなにかあれば

片桐になんでも頼むといい。」


「片桐です。よろしくお願いします。」


「あ、由茉です。よろしくお願いします。」


「なるべく一人では出掛けないでほしい。

出掛けるときは湊かお兄さんたち

もしくは片桐を呼んでから出掛けてほしい。

もちろん如月の誰かでもいい。」


「わかりました。」


「どうしても一人で出掛けるときはこれ。

GPSだ。うちの者はみんな持っている。

一人で出掛けるときは下着のどこかに

必ず忍ばせてほしい。」


「わかりました。」


「それから片桐もここの鍵を持っている。

あと柳も。

入ってほしくないときはチェーンをかけて。

えーと、そんなもんかな?」


「父さん、俺いるし大丈夫。」


「そうだな。

寝室にはすでにベッドがあるから

いつでも寝泊まりしていい。

じゃあ、私と美里は帰るよ。」


「はい。いろいろとありがとうございます。」


「じゃーな、湊。」


「ありがとな。」


そう言って湊の両親は帰っていった。