ゲーム…
「そうだ…私が置いた家具とこの配置……」
「あれは新作ではなくてオリジナル。
由茉さんの気に入ったリビングにしたくて
このためだけに作ったんだ。
どう?由茉さん好み?」
慎一さんが聞いてくる。
「はい…とっても好きです。
夢のようです…。」
感動した。
私なんかのためにここまでしてくれるなんて……。
「由茉、クリスマスにあげた鍵ある?」
「うん、持ってるけど…」
「こっち、おいで。」
私は湊についていった。
「ここ、由茉の部屋。
その鍵はここの部屋の鍵。
開けてみる?」
「うん。」
私は鍵を開けてドアを開けた。
その部屋の中は空っぽだった。
「ここは由茉さんが自分でデザインするといい。
家具選んだりしたいかと思って
あえて何も置いてないんだ。」
そうなんだ…。
「これで好きなものを選び、買いなさい。」
そう言って私に差し出したカードの色はブラック…。
「いえ、でも…。」
「いいんだ、私がそうしたいんだから。
受け取ってほしい。」
「ありがとうございます。」
私は真剣な慎一さんの目を見て断れず
素直に受けとることにした。


