「由茉、手を。」
車から降りるとき湊が手を差し出した。
「ありがとう。」
私はその手に手を添えて車から降り、
湊の腕に手を添えて歩いた。
パーティーが初めてな私は
とにかく湊の後ろについて頭を下げた。
外国の方もいて、湊の英語を初めて聞いた。
「由茉の前で英語で喋るのは恥ずかしいな。」
なんて照れていたけど、
ゆっくりでも上手だった。
それからも私は何人にも挨拶して回り、
途中、会長、湊のお祖父様が私と湊を呼び
みんなに紹介をしてくれ、湊が挨拶をした。
……生きる世界が違うとはこのことを言うんだな
と痛感した。
…でも頑張らなきゃね!
湊の顔は暴走族の総長から
すっかり御曹司の顔になっていた。


