私たちは慎一さんと一緒に
リビングへ向かった。
この広い屋敷で湊の部屋以外に行くのは
これが初めて。
「美里、今戻った。」
「おかえりなさい。早かったわね。」
リビングには湊のお母さんがすでにいた。
「母さん、紹介するよ。
俺の彼女の三浦由茉。」
「あ、ご無沙汰しております。
三浦由茉です。あのときはありがとうございました。」
「湊の母の橘美里です。
名前で呼んでくれてかまわないわ。
無事に湊に会えてよかったわ。」
美里さんは優しく私に話してくれた。
すごく優しそうな人だった。
「母さんは料理もできないし
すごくドジだから。
優しい目で見てやって。」
と湊が笑いながら言った。
………仲良いんだな…。
そう思った。


