俺は家に帰って部屋のソファに座った。
ブーッブーッ
誰だよ、こんなときに。
"着信 父さん"
はぁ?なんだよ。
「なに」
『おう、最近どうだ。』
「別に普通。」
『由茉さんにちゃんと鍵渡したか?』
「まあ一応。なにも言わずにな。
でも由茉今俺のことわかんねーから
あの鍵使うことないかもな。」
『どういうことだ?』
「記憶障害。俺のこと覚えてない。
ただのクラスメイトだ。
詳しいことは由茉の両親から聞いて。
俺これから勉強するし切るよ。」
俺はそれだけ言うと電話を切った。
淡々と喋らないと涙が出てきそうだったから。
「由茉…。」
俺は空へ話しかけた。
「なぁ、美波。
由茉、お前のことも忘れてんぞ。
いいのかよ、それで。
……由茉の記憶戻してくれよ…。」
俺はそういってまた涙を流した。
こんなに涙もろかったっけ。
どうして俺の好きになったやつは
俺の目の前から消えていくんだよ…。


