続・生きる。



溜まり場へ戻ると、まだみんな下にいた。

「あれ、湊やけにはえーな。」


爽が言った。


「留守だった。夜出直す。」


「そうか、そりゃそーか。

それより由美さんの情報だと

やっぱり下のやつら俺らのこと

攻めようとしてるっぽい。

すぐじゃねーけど

年末年始辺りだな。

人数集めてる。どうする?

俺らも人数集めた方がいい。」


「そうだな、やってやるか。

颯、連絡しとけ。

直樹(なおき)と大雅(たいが)のところ。

あとは蓮(れん)のところも。」


「了解。」


「由茉のことだけは守らねーとな。

必ず誰かつけるようにしよう。

一輝さんにも一応言っとく。

爽、たぶんすでにやってあるだろうけど

由茉のこと隠せよ。」


「がっちり守られてて俺ができることはない。」


「やっぱな。」


「あ、あと11月に総会あるじゃん。

あの連絡もしとかないと。」


「じゃあそれも颯、頼むな。」


「了解。」


「純、下のやつら鍛えとけよ。」


「言われなくても。」


「哉斗は由茉のこと頼むな。

心配がかからないように、常に由茉に気にかけろ。」


「そんなの言われなくても毎日やってるけど?」


「つーことで、俺らの実力見せてやろーじゃん。

裏切り者どもにな。」


俺は笑った。楽しかった。


「話がまとまったところで悪いけど

由茉、どこにいんのかねー。」

爽が突然言い出した。


「雄はなんか聞いてねーの?」


「俺もなにも知りません。」


「どこ行ったのか…

でもあいつが頼れるところってないよな…

親とか?」


「と思って由茉の両親調べてんだけど

親のことも全く出てこねーんだよ。

一輝さんがやってるにしては…

なんでここまで隠す必要がある?」


「確かにな。由茉だけならわかるけど。」


「由茉んち家族謎だらけだな。」


うーん、と爽は悩んでいた。