続・生きる。




「…爽はちゃんと恋愛できる人だったんだね。

私、まずそれに安心したよ。


爽は自分を責めてるけどさ

爽は悪くないよ。

もし私がその幼馴染みだったら

爽は悪くない。爽のせいじゃない!

って強く言うもん。

爽が庇ったらひどくなったんでしょ?

だからなにもできなかったんでしょ?

別に見て見ぬふりしてたわけじゃないじゃん。

…それにね、こんなこと言いたくないけど

私自殺する人嫌いなの。

どんな理由があったって、そんなの人殺しと一緒。

相談して、逃げることだってできるのに。

なんで諦めちゃうのかな…

そのせいで爽だって苦しんでるんじゃん。

もちろんそんな事件を起こした人が一番悪いけど

相談しなかった、逃げなかった幼馴染みさんも悪い。

同情はする。でも私は自殺は認めない。

こうやって爽に責任を押し付けて…

許せない。」


私は強く言った。


「…由茉はどこまでも俺の味方なんだね。」


「当たり前じゃん。

湊は前私に先に手を出した方が負けだと言った。

でも自殺を選んだ人間も負けだと思う。

生きてればいくらだって助けられたのに。

選択肢はあったのに。

今まだ生きてたら私が助けたのに。

自殺なんてずるい。悔しい。」

「由茉らしいよ。

なんか軽くなったわ。

結花、あ幼馴染みね。

結花のこと追い詰めた智華のことは許さないし

結花のことも大事なのは変わらない。

だけど、結花のことをかわいそうにって言われると

どうしても俺、自分を責めてたんだ。

結局俺が悪かったんだって。

だから由茉にそんな風に言ってもらえてよかった。

結花に由茉を会わせたかったよ。

こんなに強く生きてる人間がいるんだって。

逃げたっていいんだって

俺もそうやって言いたかったな…

俺謝ることしかできなかったから…」