声が聞こえた方に目を向けると、 背の高い綺麗な女の人が立っていた。 「爽でしょ?」 女の人はそう言って悲しそうな表情のまま 爽に近づいた。 そのときの爽の表情が苦しそうで苦しそうで 爽が拒否してる、そう思ったら体が動いていた。 「すみません、爽になにか?」 私は爽の前に出た。 「由茉…」 弱々しい爽の声が後ろから聞こえた。 その声は子犬が助けを求めてるような そんなか細い声だった。 「爽、早くいこっ!」 私は爽の腕を引っ張って中へ戻った。