「ねぇ、きみ。」
え、俺?
「俺ですか?」
「そう。由茉ちゃん、なんで刺されたの?
君らに巻き込まれたんじゃないの?」
「…何が言いたいんですか。」
「君ら暴走族だろ?
そんなのにあんな女の子巻き込むのやめなよ。
彼女がかわいそうだ。」
「それは俺らと由茉が決めることなんで。」
「暴走族と関わっててもいいことなんてない。」
「は?」
「暴走族なんてあの子とは世界が違う。」
「それはあなたが決めることじゃない。」
「…あなたは暴走族に偏見があるんですか?」
違う声が後ろから聞こえてきた。
振り向くと一輝さんがいた。
「あなたは自分の妹が暴走族と関わっているのを
認めているのですか?危険ですよ。」
研修医らしきやつが一輝さんに聞いた。
「暴走族の何がいけない?」
「暴走族なんて、ただの負け組だ。」
「負け組ねぇ…。」
「あなたはどうして妹が暴走族と関わっているのを
認めているんですか?」
「信じているから。」
「暴走族をですか?暴走族のなにを信じられる。」
「俺自身がこいつらを引っ張ってきた総長だったから。
こいつらは半端な気持ちで一緒にいるんじゃない。
こいつらが必死に由茉を守ってるから
だから由茉もこいつらを必死に守ったんだ。
大事なやつを守って何が悪い。
お前がなにを知っている。
由茉は暴走族の妹で、姫だ。
由茉に姫をやめさせるつもりはないし
俺は由茉の兄をやめるつもりもない。
こいつらはお前が傷つけていい存在じゃない。
…お前は由茉にもう近づくな。
担当から外させる。」
「はっそんなこと…」
「出来ないとでも?患者の家族が苦情を言うんだ。
簡単なことだろ。
たとえここの病棟が反対したとしても
俺は院長に話をつける。
俺はこう見えても御曹司でここの院長とも知り合いでね。
お前なんか簡単に飛ばせる。
二度と由茉に近づくな。こいつらにも。」


