部屋に戻るとすすり泣きする颯。
「今は泣いとけよ。
由茉が起きるまでに笑っとけ。」
「…湊、悪かったな。」
「俺に謝るな。由茉に謝れよ。
由茉が姫になったとき言ってたよな。
自分の命を大事にしてほしいって。
簡単に投げ出そうとすんなよ。
由茉は自分が刺されたことより
そっちの方がショックだったと思うぞ。」
「…そうだな…。」
「それと、そんなに落ち込むな。
由茉、自分のせいだって考える。
由茉は自分がしたこと悔やんでない。
だから元気出せ。」
それからしばらくして一輝さんと晴輝さんがきた。
俺は立ち上がり頭を下げた。
「すみません、俺がいながら…」
「俺のせいです。本当にすみません。」
俺が謝ると颯も謝った。
「お前ら頭あげろよ。
由茉はそんなの望んでねーのわかるだろ?」
「…はい。」
その時…
「……ん…」
「由茉!?」
一輝さんと晴輝さんが駆け寄った。
「…あれ…一輝と晴輝…どうしたの?」
「どうしたのって…由茉が刺されたっていうから
急いで来たんだよ。
大事に至らなくてよかった。」
「あ…そうだ…颯は?」
「いるよ。
颯。」


